輸出をする場合、関税は誰が支払うことになるのでしょうか。
輸出をする側に関税の支払い義務があると思うかもしれませんが、支払い義務があるのは輸入する側(買い手の側)です。
なぜこうなるかは関税の役割を考えれば分かります。
たとえば、日本の場合、安い海外の農産物が大量に輸入されると、国産の農産物が売れなくなり、農業が立ち行かなくなります。
そこで、関税をかけて、海外農産物の価格をつり上げ、国産の農作物も売れるようにするわけです。この国内の産業保護というのが関税の大きな役割です。
つまり、関税というのは、物品を輸入する際に輸入国の政府がかけるものであって、輸出にあたってかけるものではありません。
これは個人輸出の場合も同じですから、関税を支払うのは海外の顧客の側です。顧客の側がこの点を理解していないことがあるので、販売代金の他に関税がかかることがある旨を取引の際に明示しておくと、後のトラブルを防げます。